村尾政樹のブログ『伝える。』

ソーシャルセクターに勤める27歳の個人ブログ。仕事や活動の記録がメインです。

私の体験を通して「子どもの貧困」を考える

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神戸新聞社 2015年9月29日(火)トーク&とーく

村尾 政樹さん

 ■一般財団法人あすのば事務局長

 子どもの貧困対策を前進させるため今年6月、一般財団法人「あすのば」を全国の支援団体や研究者と一緒に立ち上げた。事業の3本柱は政策提言、支援団体への中間支援、子どもたちへの直接支援。子どもの声に基づく政策を提言したい。子どもの貧困をキーワードに学習支援などが進む中、支援団体のネットワーク化などに取り組む。直接支援は給付金制度などを考えている。

 「あすのば」は子どもがど真ん中の組織にしたい。理事6人のうち3人は、母子家庭で経済的に苦しかったり、児童養護施設で育ったりした、当事者性の強い学生。本当に子どもの視点に立てているかを見てもらいたい。

経済的指標以外の視点必要

 母は精神的な病気を抱え、私が小学6年のとき自殺した。父は仕事に忙しく、母が亡くなってからは家庭というものを感じたことがなく、それが当たり前と思っていた。早く手に職を付けようと思っていた高校1年のとき、同じ境遇の生徒に出会った。経済的事情で進学を断念する姿を見て、逆に大学進学を意識した。お金をためるため朝から晩までアルバイトをした。

 今思うと、父子家庭で、相対的に貧困ではなかった私だが、「子どもの貧困」の中にいたのかなと思う。一方、客観的に見ると、母子家庭で経済的に苦労している学生が「私は貧乏だけど貧困じゃない」と言う。

 現在、子どもの貧困率は経済的な指標でしか測っておらず、子どもの貧困をしっかり捉えられていないのではないか。言葉遊びのように聞こえるかもしれないが、対策を考える際に重要な視点だと思う。(8月23日、関西学院大学大阪梅田キャンパスであった、全国人権教育交流会で)(まとめ・中川恵)

 

むらお・まさき

 1990年、神戸市灘区生まれ。2009年に北海道大入学。10年に団体「ここわらねっと」を立ち上げ、貧困対策や子どもの学習会などに取り組む。「あすのば」には設立準備段階から携わる。