村尾政樹のブログ『伝える。』

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朝日新聞に共同研究が掲載

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東京)子どもの貧困対策 見えぬ東京

2016年1月13日 朝日新聞(都内版)

◆財団法人と日大が研究

 子どもの貧困問題への対策をまとめた「計画」を作っていないのは全都道府県で東京都だけ――。子どもの貧困に関する調査や政策提言をする一般財団法人「あすのば」と日本大学がこんな共同研究結果を発表した。

 2013年6月に成立した子どもの貧困対策法の第9条に、「都道府県は子どもの貧困対策についての計画を定めるよう努める」という規定がある。「あすのば」と日大文理学部の末冨芳(かおり)准教授(教育行政学)は昨年11月、この「計画」がどの程度作られているのかを各都道府県に問い合わせた。

 ◇都「別計画で実施」

 東京都を除く46道府県はいずれも計画を策定済みか今後策定する予定があると回答。都は「既に策定済みの別の計画に子どもの貧困対策も入っており、今後新しく策定する予定はない」と回答した。

 都が挙げた別の計画とは「子供・子育て支援総合計画」と「ひとり親家庭自立支援計画」。共同研究では「2計画とも『子どもの貧困対策法』ではなく別の法律に基づく計画だ」として、子どもの貧困対策法の計画とは認定しなかった。内容も、「貧困対策」と明記してまとめた部分がないなど不十分だという。

 ◇対策法に基づく計画 全国で唯一なし

 末冨准教授は「他県でも『子ども・子育て』といった名前の総合計画に貧困対策を入れている例はあるが、子どもの貧困対策法第9条に基づくものだと明記している。同法に基づく計画がないのは東京都だけ」と語る。

 都の担当者は「子どもの貧困対策をやっていないわけではない。今後、子供・子育て支援総合計画を更新していく際には、子どもの貧困もテーマに入れたい。都は組織が巨大でとりまとめが難しい」と説明する。

 ◇各部署がバラバラ

 末冨准教授によると「都は低所得家庭の受験生に塾費用や受験料を事実上給付するなど、いい施策をやっているが、各部署がバラバラに動いて全体像がわからない」という。

 末冨准教授は「計画を作って施策をパッケージにまとめることで、今どんな支援をしているのかを整理し、何が足りないのかを洗い出すことができる」とし、「貧困層は生活に余裕がなく、情報が届きにくい。当事者たちに情報が届きやすいように施策をまとめて発信するという視点も重要だ」と計画の重要性を指摘する。

 (原田朱美

 ◆子どもの貧困対策法

 子どもの将来が生まれ育った環境に左右されないようにすることを基本理念に掲げ、貧困対策の基本事項などを定める。2014年1月施行。同法に基づき、政府は同年8月、教育や生活の支援、保護者の就労支援、貧困の実態をつかむための調査研究など重点政策をまとめた大綱を閣議決定した。厚生労働省の調査では、18歳未満の子どもの貧困率は12年時点で16・3%と過去最悪を記録している。

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