村尾政樹のブログ『伝える。』

ソーシャルセクターに勤める26歳の個人ブログ。仕事や活動の記録がメインです。

もう一つのストーリー

改めて、7月24日に毎日新聞の1面と4面に「ストーリー」という特集記事が掲載されました。お読みくださった方々、ありがとうございます。

 
貧困と向き合う若者たち(その1) 子どもの「明日」を支える
貧困と向き合う若者たち(その2止) 生きづらさと闘う
 
記事を書いた清水さんは、約6年前に私が初めて取材を受けて記事にしてくれた方です。当時、私は大学2年生。この出会いが、社会と接点を持って活動を始める一つのきっかけと勇気を与えてくれました。以来、清水さんとは時折連絡を取り合い、色んな報告や相談もさせていただいてきました。

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記事にある自分の弱さや葛藤や心境の変化など、模索し続ける私のストーリーを等身大で清水さんは綴りました。他の人でもっと綺麗なストーリーやそういった書き方もあったはず。でも、清水さんは完成されたストーリーなんてないこと、完成させなくても良いことを暗に伝えてくれた気がします。
 
今年は母親が亡くなって14年が経過し15年目の夏を迎えました。就職から進学に進路を切り替えた夏のキャンプから8月で10年が経過します。あの時に「10年踏ん張れば」「自分の力で生きていかないと」と思いながら描いたストーリーとは少し違うけど、これで良かったと今は思います。

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以下は、毎日新聞ストーリー編集部のTwitterで清水さんが編集後記的に残してくれたコメントです。今までのことを本や何らかの形にしたいと思っていたなか、今回は貴重な機会をいただきました。このストーリーは、本当に理解して見守り続けてくださっている方がいたからこその物語です。
 
宝物にします。ありがとうございます。
 
 
村尾くん(原稿は「さん」ですがツイートでは普段と同じ「くん」付けにさせてもらいます)は、考え方も、話すことも、とてもしっかりした青年です。でも自身の心の内にも、ずっと「生きづらさ」があったと言います。大きな要因が、小6の時に母を自殺で亡くしたことの喪失感や自責の念でした。
 
身近な人の死や障害などに伴う辛苦の克服を、「乗り越える」と表現することがありますが、村尾くんはこれに違和感があるそうです。母の死は忘れられないし、忘れてもいけない。踏み台のように乗り越えるのではなく、覚悟を決めて真摯に向き合うことで、彼は成長してきたのだと思います。
 
村尾くんと話すと「日にち薬」という言葉が頭に浮かびます。年月の経過が傷を癒やしてくれる、という意味ですが、たぶん無為に過ごす年月は薬の代わりにならないのでしょう。流されず、自分の足で時間を紡いでいくこと。その大切さ、かけがえのなさを、20歳以上も年下の彼に改めて学びました。
 
今回のストーリーは、村尾くんと仲間たちへの、私なりのエールです。それと同時に、一人でも多くの人が「自殺」や「貧困」といった周囲や次世代にも影響を及ぼす「負の連鎖」に思いをはせ、それを断ち切る方策を考えていただくきっかけと、助けになればうれしいです。(医療福祉部 清水健二)
 
毎日新聞ストーリー編集部
Twitterアカウントより引用
 
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