伝える。/5 今年度もよろしくお願いいたします
新年度が始まって約1週間が経ちました。
皆さまの深いご理解と温かいご支援・ご協力のおかげさまで、仲間たちと立ち上げた財団も準備会含めて2年が経過し、2017年度は3年目の年です。心からの御礼を申し上げます。本当にありがとうございます。
財団が目指す社会は『子どもの貧困がなくなる社会』。そのために、子どもの貧困の要因となる社会課題を一つひとつ解決するだけでなく、子どもや若者たちと一緒に活動しながら新しい明日をつくることへの飽くなき挑戦があり、2年目は模索しながら葛藤も多くありました。
課題解決の先にある社会は、夢や志にあふれる子どもや若者の姿だけでなく子どもや若者、そして子どもを支える親や地域が安心して明日を迎えられるものであってほしいと切に願っています。
そのためには世界の動きも無視できません。イギリスのEU離脱やアメリカ大統領選挙などによって先行きの見えない不安や不満がエネルギーとなった渦がさらに大きくなり、シリアへの攻撃やストックホルムでのテロも1年間トルコで過ごした身として他人事ではありません。
また、子どもの貧困対策法を制定する運動が繰り広げられたときにモデルとしていたイギリスの子どもの貧困対策法は実質的に廃止されました。日本においても国の大綱見直しに向けた新たな指標が議論され始めています。財団として何をやるべきで何ができるのか、そして、私個人としてはどうなのか、真剣に考えています。
大学生のときには「どこに光を当てても必ず影となる部分があって、その影となる部分にいる困っている人のために声をあげたい」と話していました。しかし、子どもたちと活動をともにする中で彼ら一人ひとりが温かい光を持っていて、その光が周りの環境によって消えかけてしまっていることに気がつきました。
彼らは社会における支援の対象ではなく、社会の主体であり希望の光であり新しい明日をつくるカウンターパートナーです。そして、それは今を生きる私たち一人ひとりも同じです。
そのような想いを抱きながら、2017年度も微力ながらコツコツ活動に取り組んでまいります。皆さまにも力を借りながら引き続き一緒に歩みを進めることができれば幸いです。今年度もよろしくお願いいたします。
2017年4月 村尾政樹